在留資格の分類

2019年4月から在留資格「特定技能」が加わることにより、外国人の在留資格は合計29種類となっております。法務省が公表している「在留資格一覧表」をまとめると以下の通り、就労や活動の制限によって4つのカテゴリーに分類することができます。

就労系の在留資格

就労系の在留資格は、以下の19種類の在留資格があります。
在留資格に応じた就労が認められておりますが、在留資格の制限を超える就労は認められていません

外交外国政府の大使,公使等及びその家族
公用外国政府等の公務に従事する者及びその家族
教授大学教授等
芸術作曲家,画家,作家等
宗教外国の宗教団体から派遣される宣教師等
報道外国の報道機関の記者,カメラマン等
高度専門職ポイント制による高度人材
経営・管理企業等の経営者,管理者等
法律・会計業務弁護士,公認会計士等
医療医師,歯科医師,看護師等
研究政府関係機関や企業等の研究者等
教育高等学校,中学校等の語学教師等
技術・人文知識・国際業務機械工学等の技術者等,通訳,デザイナー, 語学講師等
企業内転勤外国の事務所からの転勤者
介護介護福祉士
興行俳優,歌手,プロスポーツ選手等
技能外国料理の調理師,スポーツ指導者等
技能実習技能実習法に基づく技能実習生
特定技能14業種分野のみ特例で認められた在留資格

身分系の在留資格

身分系とは、永住者や日本人の配偶者等の在留資格であり、就労制限がない在留資格です。

永住者永住許可を受けた者
日本人の配偶者等日本人の配偶者・実子・特別養子
永住者の配偶者等永住者・特別永住者の配偶者,日本で出生した実子
定住者日系3世,外国人配偶者の連れ子、離婚定住等

就労不可活動

原則的に就労が認められない在留資格ですが、週28時間までは資格外活動許可を取得すればアルバイトが可能となる場合があります。

文化活動日本文化の研究者等
短期滞在観光客,会議参加者等
留学大学,専門学校,日本語学校等の学生
研修研修生
家族滞在就労資格等で在留する外国人の配偶者,子

特定活動

その他の在留資格に分類されない特別な活動を例外的な特定活動として在留を認めるものです。

特定活動就職活動中の者、外交官等の家事使用人,ワーキングホリデー等

就労による分類

上記の在留資格の主なものを就労の種別として「単純労働」「専門的分野」「風俗営業」で分類してみると以下の通りになります。

・「単純労働」とは、専門的知識・技能を要求されない労働を言い、単純な接客、工場でのラインなどが該当します。
・「専門的分野」とは、「技能実習」、「特定技能」を除く就労が認められる在留資格であり、日本政府が従来から掲げる「専門的人材、熟練人材」とほぼ同じと考えていいでしょう。
・「風俗営業」とは、風俗営業法の許認可業における就労を言い、性風俗産業以外にパチンコ、麻雀、バーなども該当します。

このように、身分系の在留資格には就労制限がないことから、単純労働のみならず他の在留資格者では認められない風俗営業法による許認可業種での就労も可となっています。

一方で、原則的に就労活動が不可とされている留学生も資格外活動許可を得ることにより時間の制限があるものの単純労働に従事することができる「例外」が存在します。
これに特殊な在留資格である「技能実習」、「特定技能」を加えると実際には、日本では単純労働で働く外国人が多いというのが実情となっています。

例えば、コンビニのアルバイトは現在のところ「単純労働」として扱われており、外国人留学生の資格外活動による就労が労働力として寄与しているというのが現状です。

まとめ

・身分系の在留資格は就労制限ない
・留学生でも週28時間までは単純労働可
・一般の就労資格では原則、単純労働不可